『薬屋のひとりごと』ってタイトル、最初に聞いたときは日常系かな?って思ったけど、実際は後宮を舞台にした本格ミステリーなんだよね。
主人公は猫猫(マオマオ)っていう、元花街育ちの薬師の女の子。毒や薬に異常なまでの執着があるちょっと風変わりな性格なんだけど、それがめちゃくちゃクセになる。
アニメ第1期は2023年10月22日から2024年3月24日まで全24話が放送されてて、制作はTOHO animation STUDIOとOLMのタッグ。キャラデザは中谷友紀子さんで、繊細なのにどこか中華風の豪華さもあって美しい。
物語は「帝の御子たちが次々と体調を崩す」という不穏な事件からスタート。そこに巻き込まれる形で、下女として後宮に売られた猫猫が登場するんだけど、彼女の薬学知識と観察力が冴え渡ってて、事件を次々に解決していく展開がほんとに痛快!
しかもただの推理物じゃなくて、壬氏(ジンシ)っていう超美形の宦官との駆け引きや、後宮内の嫉妬や陰謀、人間模様も濃密に描かれてるのが魅力のひとつ。
ジンシ役は大塚剛央さんで、冷静さと色気を絶妙に表現してて沼る人続出。猫猫役は悠木碧さんで、天才肌な少女の無自覚な毒舌や知性を見事に演じてた。
OPとEDもそれぞれ印象的で、第1クールは緑黄色社会の「花になって」、アイナ・ジ・エンドの「アイコトバ」。第2クールになるとUruの「アンビバレント」とwacciの「愛は薬」へと切り替わって、物語の雰囲気にぴったりハマってた。
個人的に好きなのは、第16話「園遊会の毒」。表面的には優雅に見える後宮のイベントなのに、その裏でどれだけの駆け引きや毒の知識が飛び交っているか…っていう緊張感がすごかった。
あと終盤の鳳仙と羅漢のエピソードも泣ける。表の顔とは別に、それぞれが抱える過去や想いが明かされていく構成はほんとに巧妙。
この作品がすごいのは、事件解決型の構成でテンポよく進みながらも、登場人物の心理描写や関係性の積み上げがしっかりしてて、気づけば感情移入してしまってるところ。
しかも後宮っていう舞台がただの装飾じゃなくて、薬・毒・医術・地位・性・権力…すべてが複雑に絡み合ってるのが見応えある。
猫猫が事件を解決するたびに壬氏との距離も少しずつ変わっていって、「この2人、どうなるの?」って気になって仕方なくなるあたり、恋愛要素のバランスも絶妙。
ちなみに、原作は日向夏さんによるライトノベルで、小説はすでに14巻(2025年5月現在)まで刊行中。アニメ1期はおおよそ原作2巻までをカバーしてるから、続きが気になる人は原作に進むのもおすすめ。
実は2025年1月10日から第2期もスタートしてて、今まさにファン層がさらに広がってるタイミング。第2期では新キャラや新たな事件も続々登場して、ますますスケールが大きくなってきてる。
Netflixやdアニメストアでも全話配信中だから、「いつか観よう」と思ってた人は今がチャンス。ちょっとでも“賢くて変人な女の子が好き”って気持ちがあるなら、猫猫には絶対ハマると思う。
アニメってだけでなく、文化・薬学・人間ドラマといったさまざまな要素がぎゅっと詰まってて、観終わったあと「これは当たりだった」って思える一本。視聴して損なし。