「ヒーローになれなかった人たちの物語」、そんなキャッチコピーに心が惹かれたのは私だけじゃないはず。『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』は、あの大人気作『僕のヒーローアカデミア』のスピンオフとして登場した作品で、2025年4月に念願のTVアニメ化が実現しました。
正直、最初は“ヒロアカの外伝でしょ?”って思ってたけど、実際に読んでみたら完全に別物。むしろ、ヒロアカの世界観をもっと深く掘り下げていて、「表では語られない裏側の正義」ってテーマにズシンと来ました。原作は堀越耕平さんが世界観を提供して、物語は小説家・古橋秀之さんが脚本を担当、作画は別天荒人さんが手掛けています。
この作品の主人公は、灰廻航一(はいまわりこういち)くん。CVは梅田修一朗さん。彼は“個性”として「滑走」という能力を持っているけど、プロヒーローになるには地味すぎて夢をあきらめちゃった大学生。だけど、オールマイトに憧れる気持ちは消えなくて、自分なりに“親切マン”という名前で、日々のトラブルにこっそり手を貸してるの。
ある日出会ったのが、ポップ☆ステップ(CV:長谷川育美)っていうゲリラライブやってる自称フリーアイドル。しかも“跳躍”って個性を使って、ビルの屋上から屋上へ飛び跳ねるタイプの女の子。そしてもうひとり、めちゃくちゃ強いけど個性なしのナックルダスター(CV:間宮康弘)と出会ったことで、彼の人生がガラッと変わっていくんです。
この3人、いわゆる「非合法ヒーロー」=ヴィジランテとして活動していくんだけど、やってることはちゃんと人助け。でも、国家公認じゃないからいつもギリギリのところを攻めてて、普通のヒーローアニメとはまた違った緊張感があるんですよね。
個人的にぐっときたのは、「正義って何?」ってずっと問いかけてくるところ。ナックルダスターなんてさ、めっちゃ暴力的なんだけど、実はすごく芯があって、家族に対する愛も深いし、根っこには優しさがある。こういうキャラって、大人になってからの方が響く気がする。
ちなみにこの作品、『僕のヒーローアカデミア』の数年前の時代が舞台だから、イレイザーヘッド(CV:諏訪部順一)とかプレゼント・マイク(CV:吉野裕行)、オールマイト(三宅健太)なんかの若かりし頃もチラッと登場してくるのがまたアツい。
アニメの制作はボンズフィルムさんが担当。監督は『鋼の錬金術師』シリーズなどでおなじみの鈴木健一さん、脚本は黒田洋介さんっていう、信頼の布陣。キャラクターデザインは吉田隆彦さん。音楽には林ゆうきさんも参加していて、ヒロアカ本編と同じ熱量をしっかり感じます。
そして、2025年4月7日に放送が始まってからというもの、SNSでも毎週のように話題に。特に第1話のテンポ感とアクションシーンは「スピンオフとは思えない完成度」って評判になってた。私もリアタイで見て「これ、ただの外伝じゃない」って確信したもん。
あとね、オープニングテーマが「Kekka Orai」、エンディングは「Speed」。どちらも疾走感があって、作品のテーマである“止まらない正義”みたいなものを音楽からも感じられるんだよね。OP映像の演出も細かくて、初見で思わず巻き戻したくらい。
ジャンプ+で連載されてた原作漫画は2022年に完結してて、全15巻。今からでも全然追いつけるし、アニメをきっかけに原作にハマる人、めっちゃ増えてると思う。特に「王道じゃないヒーローが好き」って人にはピッタリ。
ヴィジランテって、「失敗しても、ダメでも、それでも人のために動く」っていう、ちょっと泥臭くて、でも熱い正義の物語なの。最近の綺麗なヒーロー像に飽きたなって感じてる人には、この作品はかなり刺さると思う。
誰かに認められなくても、自分の信じる道を進む。そんな彼らの姿に、思わず胸が熱くなる。まだ観てない人はぜひチェックしてみて!