正直言って、最初にこのタイトルを見た時は「え、なにこの挑戦的な名前?」ってちょっとびっくりしたんだよね。
でも読んでみたら、全然そんな印象とは違って、めっちゃピュアで、ちょっと痛くて、でもあたたかい──そんな作品だった。
『ブスに花束を。』って、ただのラブコメだと思ったら大間違い。これは、自分に自信が持てない女の子が、少しずつ世界と向き合っていく物語なんだ。
主人公の田端花(たばた はな)は、いわゆる“喪女”ってやつで、自分の容姿にコンプレックスを抱えてるタイプ。
地味だし、ちょっとぽっちゃりしてるし、人と目を合わせるのも苦手。
でも、そんな彼女が、ある日教室で花を飾ってるところをクラスのイケメン・上野陽介に見られちゃう。
この瞬間から物語は動き出すんだ。
ありきたりな展開かもって思うかもしれないけど、『ブスに花束を。』が他の作品と違うのは、“花ちゃん”のリアルさだと思う。
彼女の心の中って、意外と私たちと似てて、「あー、わかる!」ってなることばっかりなんだよね。
たとえば、鏡見るたびに「今日もブスだな~」って思ったり。
可愛い子たちと一緒にいても、なんか自分だけ浮いてる気がしたり。
そもそも恋なんて縁がないって、勝手に決めつけちゃったり。
そういう“ネガティブ思考あるある”が、もういちいち刺さるんよ。
そして、そんな花ちゃんが少しずつ、でも確実に変わっていく姿が、すごく愛おしくて応援したくなるの。
いやほんと、読んでるこっちが成長物語を見守る親戚みたいな気分になってくる。笑
しかも、イケメンでスクールカースト最上位の上野くんが、まさかの天然男子で…!
モテまくってるのに恋愛偏差値は中学生レベルとか、もうそれだけでギャップ萌え炸裂だし。
ただの“王子様キャラ”じゃなくて、どこか抜けてて、でも優しさがにじみ出てる感じが最高に良い。
この2人の距離感がさ、めっちゃリアルで。
最初はぎこちないのに、徐々に自然な空気ができていくの。
言葉少なめなやりとりの中にも、お互いの存在がちゃんと重なっていくのがわかって、なんかこう…キュンとする。
あと、脇を固めるキャラもなかなか個性派揃い。
特に、花のクラスメイトの鶯谷すみれちゃんが可愛いだけじゃなくて、ちょっとクセあって好き。
裏表あるわけじゃないけど、いろいろ背負ってるっぽい雰囲気とか、女子ならなんとなく共感しちゃうんじゃないかな。
それに、ギャグパートのテンポもいい感じなんだよね。
花ちゃんの自虐センスが独特すぎて、時々本気で吹き出す。
でも、笑いの中にちゃんと“刺さる言葉”があるから、ただのコメディじゃ終わらないんだよ。
それにしても、「地味で非モテ」な子が主役って、今までありそうでなかったかも。
少女漫画って、なんだかんだでみんな「可愛いけど自覚ない系ヒロイン」が多かった気がするし。
でも花ちゃんは、ちゃんと“可愛くない自分”を認識してるから、そこが逆に新鮮でリアルだった。
2025年7月からはアニメ放送も始まるって聞いて、もう楽しみすぎてヤバい。
しかもオープニングがTWSの「BLOOM」っていうのもアツい!
花をテーマにした曲で、花ちゃんの物語とリンクしてる感じが素敵なんだよね。
あと、エンディングはGLASGOWの「スーベニア」。
このバンド、最近ジワジワ来てるけど、今回の曲で一気に注目されそう。
歌詞もどこか切なくて、作品の雰囲気にめちゃくちゃ合ってる。
アニメーション制作はSILVER LINK.ってことで、クオリティも安心だし、キャストも豪華。
田端花役に早見沙織さん、上野陽介役に土屋神葉さん…うん、これは間違いない。
この2人の掛け合いをアニメで見られると思うと、もう待ちきれない!
原作はすでに完結してて、全12巻。今なら一気読みもできちゃうから、気になってる人は今がチャンスだと思う。
そして2025年からはスピンオフ作品『Bloom』の連載も始まるらしい。
この流れで、また新しい花ちゃんたちの世界に触れられるのが嬉しすぎる。
なんだかんだで、この作品は「自分に自信が持てない人」にとっての応援歌なんだと思う。
自分を好きになるのって、簡単なようでめちゃくちゃ難しいこと。
でも、そんな日々に“ちょっとだけ前を向く勇気”をくれるのが『ブスに花束を。』なんだ。
「どうせ私なんて…」って思っちゃう瞬間があるすべての人に届けたい。
花ちゃんみたいに、ゆっくりでいいから、少しずつ世界を変えていこう。